恋の神様におまかせ♪
可愛いって褒めてくれた服を着て、手を繋ぐと、なんだか少しだけ自信がついた。
さっきは周りの視線は全て蒼太に集まっていたけど、今は私も視界に入っているみたい。
すれ違う人が、「美男美女カップルだ」って言ってくれたから。
美男美女カップル、だって。
「えへへ……」
嬉しくて、自然と頰が緩んでしまう。
恋人同士に見えてるんだ。
……うれしいなぁ。
「……稲穂、」
不意に名前を呼ばれて顔を上げると、僅かに頰を赤らめた蒼太が、じっと私を見つめていた。
私は首を傾げると、蒼太は顔を逸らして溜息をついた。
な、なんで!?
「あんま、可愛い顔すんなよ。……我慢できなくなるだろ」
「我慢?何を我慢してるの?」
そう尋ねたけど、溜息をつかれるだけで答えてはくれなかった。