恋の神様におまかせ♪
「初めまして、稲穂の母です。うちの子が大変ご迷惑を……」
「そんな、頭を上げてください」
稲穂のお父さんに連れられて自宅にお邪魔すると、奥からお母さんが出てきて、お父さんから話を聞くと深々と頭を下げられた。
怒鳴られたりするもんだと思っていたから、かなり拍子抜けしてしまった。
俺の言葉に頭を上げた稲穂のお母さんは、俺をリビングへと招いた。
言われるがままにソファーに座ると、すぐにお茶とお茶菓子が出された。
俺の正面に座った2人にこれまでのことを話すと、2人はホッとしたような、申し訳なさそうな表情をした。
「そんなことが……、本当に申し訳ありませんでした」
「いえ、俺が好きでやっていた事ですから……」
話し終えてすぐまた頭を下げた2人に、慌ててそう答えると、お母さんは少しだけ笑みを見せた。
「そうですか……稲穂と、付き合って下さってるのね」
「稲穂が恋愛かぁ……想像できないなぁ」
「え?何故ですか」
2人の会話を疑問に思って尋ねると、2人は1度顔を見合わせた後、口を開いた。