恋の神様におまかせ♪
学校の正門前。
私と同じ制服に身を包んだ生徒達が次々校舎の中に入っていく。
……こんなところに突っ立っていても始まらないよね!
行こう!
私はグッと両手を握り、意を決して中に入って行った。
「__稲穂!」
「っ!」
教室に続く階段で、後ろから聞き慣れた声に呼び止められた。
振り返って見なくても分かる。
由紀ちゃんだ。
「稲穂、やっと来た……」
ゆっくり振り返る。
少し髪が伸びて、夏休みには顎位までの長さだった茶髪が、今は肩につきそうな長さだ。
薄くお化粧もしてるみたい。
可愛いな。
「……えっと、ゆ、由紀ちゃん……」
何を言ったらいいんだろう。
由紀ちゃんの表情を見てみても、何を考えてるのか分からない。
でも、あの日の事、謝らなきゃいけないよね。
私のせいで、あんな……。
「由紀ちゃん、あの日は、ごめ……」
「稲穂、」