恋の神様におまかせ♪



謝ろうとした瞬間、由紀ちゃんは遮るように私の手を握った。

突然の事で頭が追いついて来なくて、私は握られた手を見つめたまま動けなくなったよ


「……謝らないで。稲穂は、何にも悪くないんだから」


由紀ちゃんの言葉に顔を上げると、由紀ちゃんは柔らかく笑んでいた。

その笑顔に、私はすぐには声が出なかった。


あまりにも、優しい笑顔だったから。


「稲穂は、ただ私を助けようとしてくれただけだもん。悪いのは、ちゃんと隼人の話を聞かなかった私なの。だから……稲穂は謝らないで」


ね?と小首を傾げた由紀ちゃんに、私は泣きそうになった。


ちがうよ。

私が悪いんだよ。

悪縁と良縁の区別もつかなかった私のせいだよ。

由紀ちゃんのせいじゃないよ。


「いつも、助けてくれてありがとね。稲穂のお陰で、私がすっごく幸せだよ」


「___っ、」


涙が溢れた。


幸せなのは、こっちの方だよ。

そんな嬉しいこと、言ってもらえるなんて。

私失敗ばかりなのに、そんなこと言ってもらえて、嬉しい。


最高に、幸せだよ。



「由紀ちゃんっ、ごめん、ごめんねっ……ありがとう……っ!」




そう言って涙を流す私を、由紀ちゃんは笑って抱き締めてくれた。










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