恋の神様におまかせ♪



教室に行くと、皆が私を囲んで、色々な質問を投げ掛けてきた。

でも私は笑って誤魔化しながら、自分の席に着いた。


とても人に言えることじゃないしね……。


「稲穂ちゃん!」


やっと人集りから解放された時、春代ちゃんと花ちゃんが心配そうな表情を浮かべながら駆け寄ってきた。


「久しぶりだね、春代ちゃん、花ちゃん」


「久しぶり、じゃないよ!今まで何をしてたの?もう少しで留年するところだったんだよ!?」


「毎日家に行ったのに会えなかったし……何かあったの?」


毎日家に!?

私は驚いて声を上げてしまった。


そっか……私、本当に色んな人に心配かけてたんだ。


「ごめんね。心配してくれてありがとう!もう大丈夫だから」


そう言って笑いかけると、2人は顔を見合わせた後、しょうがないなって顔で笑った。








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