恋の神様におまかせ♪
*2.5*
私にはずっと、友達がいなかった。
存在感がなくて声が小さいから、誰も私がいることに気付いてくれなくて。
皆、私を見たらこう言うの。
“あ、居たの?”
高校に入って、稲穂ちゃんが初めて話しかけてくれた。
私と稲穂ちゃんは席が近かったから、いつも一緒にいて、初めて友達と一緒にお弁当を教室で食べた。
だから委員会も一緒にやりたかったんだけど、図書委員はやりたい人が多くて、稲穂ちゃんはじゃんけんで負けてしまった。
私一人かぁ……。
一緒になったのは全然名前も覚えてない男の子。
友達は稲穂ちゃんしかいなかったから、すごく不安だった。