恋の神様におまかせ♪


土曜日。


学校の近所にある図書館に、約束より10分くらい早く着いた。


……筈なんだけど。



「油良!?」


「おはよう、道島(どうじま)くん」



図書館の入り口の前に並んだベンチの隅っこに、油良が座っていた。


いつから待ってたんだ?



行きましょう、と言って油良が立ち上がる。

油良が肩から提げていたバックには、大量のノートや参考書が入っていた。


「それ重くねぇか?」


「え?あっ……」


返事を聞かないで後ろから鞄を持つと、女にはかなりキツイ重さだった。


これを肩に提げてここまで来たのかよ……。


そう思うと、なんでか油良をすっげぇ愛しく感じた。




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