冷徹部長の愛情表現は甘すぎなんです!
駐車場でキスをしてから、ずっと気分が高揚している。嬉しくて幸せな気持ちで、由佐さんの家へ向かう間、彼が言ってくれたことを何度も思い出していた。

「お邪魔します……」

由佐さんの部屋に来るのは二度目だけど、この前来たときとは違った感じで落ち着かない。恋人になった由佐さんの部屋……。そう思ったら緊張してしまって、リビングに入りソファへと座っても体に妙な力が入る。

「そういえば夕食、考えてなかったな。出前とる?」

「えっと……まだいいです」

「じゃあ、後で」

だって、まだ胸がいっぱいでご飯なんて食べられそうにない。
飲み物を用意してくれた由佐さんにお礼を言って、勝手に騒いでいる胸の音を意識していると、由佐さんは上着を脱いで隣に腰を下ろした。

駐車場にいたときは想いを伝えるのに夢中だったけど、改めて考えると由佐さんは一体わたしのどこが好きなのだろう。

お互い想い合っているっていうことを、もっと確かめたい……。
そんなことを思って携帯を見ている彼のことを窺っていたら、視線を感じたのかわたしのほうへ顔を向ける。

「なんだよ。“キスの続きはまだ?”って誘ってるのか?」

「えっ……ち、違いますよ、そんなっ……!」
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