冷徹部長の愛情表現は甘すぎなんです!
疑っているような目をわたしに向けながら、由佐さんがゆっくりとわたしに迫ってきた。ただでさえ綺麗で色気のある彼にじっと見つめられて胸の鼓動がおかしくなりそうなのに、彼の指がわたしの首筋を撫でてすっとブラウスの襟を掴む。

「それで、君はその男のことが気になるのか」

「き、気になるという感じでは……ただびっくりして……前の会社でも声をかけられるようなことって、あまりなかったから。話してもいないのにいいなと思ったって、いったいどこをかなって考えたら、それよりも由佐さんのことが気になりだして……由佐さんはわたしのどこがいいのか、聞きたくなったんです」

由佐さんの指が肌に触れるたび、背筋がゾクゾクして、だけど体が熱くなってきて……気づいたら顔を真っ赤にしながら彼を見ていた。

恋人になった由佐さんに、改めて自分のことを訊いてみたくなったの。
今まで普通に恋をして、告白したりされたりしたけれど、由佐さんのようなかっこいい人と付き合ったことはない。すごくモテていたなんて経験のないわたしなのに、わたしのなにかが彼を惹きつけたということでしょう?

ブラウスのボタンをひとつ外した由佐さんは、焦らすようにわたしの胸上に手を留めて目を細めた。

「君は、かわいいよ。ムキになったり睨んできたり、だけど心配してきたり素直になってみたり。俺は構わずにはいられなかった、君のこと。俺がいいなって思うのは、そういうところだ」

「由佐さん……」

うれしくて、由佐さんのことを熱っぽい瞳で見ていたら、口もとを緩めた彼はわたしを引き寄せて、唇にキスをしてきた。そして、ひとつだけしか外されていなかったブラウスのボタンがすべて外されてしまう。
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