冷徹部長の愛情表現は甘すぎなんです!
本性を隠して、夏穂子には紳士的に振る舞っていて、それを見ているとわたしは複雑な気持ちになってしまう。
そういう由佐さんを見慣れているのか、三坂さんはまったく気にしていないようで、いつも通りだった。
愛想よくしている由佐さんに夏穂子は普段の調子で話していて、質問をしていた。
「由佐さんが三坂さんのお店でバーテンダーをしていたとき、お酒の作り方って三坂さんに教わったんですか? なんだか、慣れていた感じがしたんですけど」
「いや、大学生のときに少しだけバーテンダーのアルバイトをしていたときがあったから。そのとき純も一緒にやっていたんだ」
そうか……納得。由佐さん、バーテンダーのアルバイト経験があったから病欠の代わりにお店に出て、接客できたんだ。
本当はオフィスでスーツを着て働いているなんて、まったく思わなかったな、あのときは。
「由佐は結局バーテンの仕事はバイトで終わったけど、俺は大学卒業後も続けていたんだ。俺の年齢でこのビルに店を持てたのは、ビルを所有している不動産会社の息子と親しくしていて、そのコネなんだけど」
三坂さんは微笑みながらそう言って、コーヒーを飲む。よく考えてみれば、二十九歳の三坂さんが有名企業や飲食店などがたくさん入っているこのビルでお店を経営するには、そういうコネというものがないと無理だろう。
そういう由佐さんを見慣れているのか、三坂さんはまったく気にしていないようで、いつも通りだった。
愛想よくしている由佐さんに夏穂子は普段の調子で話していて、質問をしていた。
「由佐さんが三坂さんのお店でバーテンダーをしていたとき、お酒の作り方って三坂さんに教わったんですか? なんだか、慣れていた感じがしたんですけど」
「いや、大学生のときに少しだけバーテンダーのアルバイトをしていたときがあったから。そのとき純も一緒にやっていたんだ」
そうか……納得。由佐さん、バーテンダーのアルバイト経験があったから病欠の代わりにお店に出て、接客できたんだ。
本当はオフィスでスーツを着て働いているなんて、まったく思わなかったな、あのときは。
「由佐は結局バーテンの仕事はバイトで終わったけど、俺は大学卒業後も続けていたんだ。俺の年齢でこのビルに店を持てたのは、ビルを所有している不動産会社の息子と親しくしていて、そのコネなんだけど」
三坂さんは微笑みながらそう言って、コーヒーを飲む。よく考えてみれば、二十九歳の三坂さんが有名企業や飲食店などがたくさん入っているこのビルでお店を経営するには、そういうコネというものがないと無理だろう。