冷徹部長の愛情表現は甘すぎなんです!
「確か純くんのお店にも由佐くんと一緒にいましたよね。もしかして、由佐くんの彼女?」
「ち、違います……! あの日はたまたま、一緒にいたっていうだけで……」
「そうなんですか。なら、ほっとした」
ほっとしたって……? 言葉に反応して香弥さんの顔を見ると、彼女は首を傾けてクスッと笑った。女性らしさの出た、艶っぽい笑い方に同じ女のわたしでも綺麗だなと思う。
わたしが引っかかった部分を悟ったらしい香弥さんは、言葉を続けた。
「由佐くんと一緒にいるとき、わたしのこと結構気にしていたみたいだけど、彼のことが好き?」
「い、いえ、あの……」
「わたしは、由佐くんのこといいなって思ってる。今はいろいろあってちょっと気まずい状態だけど、少しずつ近づいていきたい」
突然気持ちを聞かれて戸惑っているだけだったわたしに、香弥さんははっきりとそう言った。
彼女は由佐さんに好意を持ってる……。
もしかしてと思っていたことが当たって、どういう反応をすればわからずじっと黙っているしかなかった。
わたしだって、由佐さんのことが好き。でも、美人で仕事面でも負けているだろう香弥さん相手に“同じ人が好き”と言う度胸がない。
なにも言えないまま、香弥さんが「……そろそろ仕事に戻らないと。それじゃあ、失礼します」と頭を軽く下げて去っていく姿を、わたしは目で追っているしかなかった。
「ち、違います……! あの日はたまたま、一緒にいたっていうだけで……」
「そうなんですか。なら、ほっとした」
ほっとしたって……? 言葉に反応して香弥さんの顔を見ると、彼女は首を傾けてクスッと笑った。女性らしさの出た、艶っぽい笑い方に同じ女のわたしでも綺麗だなと思う。
わたしが引っかかった部分を悟ったらしい香弥さんは、言葉を続けた。
「由佐くんと一緒にいるとき、わたしのこと結構気にしていたみたいだけど、彼のことが好き?」
「い、いえ、あの……」
「わたしは、由佐くんのこといいなって思ってる。今はいろいろあってちょっと気まずい状態だけど、少しずつ近づいていきたい」
突然気持ちを聞かれて戸惑っているだけだったわたしに、香弥さんははっきりとそう言った。
彼女は由佐さんに好意を持ってる……。
もしかしてと思っていたことが当たって、どういう反応をすればわからずじっと黙っているしかなかった。
わたしだって、由佐さんのことが好き。でも、美人で仕事面でも負けているだろう香弥さん相手に“同じ人が好き”と言う度胸がない。
なにも言えないまま、香弥さんが「……そろそろ仕事に戻らないと。それじゃあ、失礼します」と頭を軽く下げて去っていく姿を、わたしは目で追っているしかなかった。