【未完】入江くんは優しくない。



「なら、人の目があるところで頼み込めばいいんじゃない」


「……はい?」


「それなら否定できないんじゃないの。
一応内申かかってんだし、無下にはできないでしょ。教師の前なら尚更」



人前、で……ですか。


そ、それはそれで後々反感を買うような気も……。


いや、でも!背に腹は変えられないっ!!





と、いうわけで。



「お願いします入江くんっ!!」


「……は?」


教室にて。



私は堂々と天下の入江様に頼み込んでいるのだけど。


いやもう拝み倒す気満々というこの状況で。



というのも……



「おい市井。今はHR中だ、後にしろ。話が進められん」


「そこはスルーでお願いしまっす先生!今マジで必死なんですよ私っ!」



そう、今は帰りのHRのお時間。



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