【未完】入江くんは優しくない。
お父さん、お母さん、あっこちゃん。今までありがとう。
凛子は今日、16年という短い人生の幕を下ろします。
どうか私が死んだら灰は海へ……——
思っていた時、ガタンという音がして目を向けると、折りたたみテーブルを出してきた入江くんが。
「何してんの。早く座って」
「…………へぇ?」
なんともまあ、間抜けな声が出た私に、若干イラついている入江くん。
「勉強するんでしょ。プリント出して」
「え、あ、はいっ…」
「さっさと座る」
「あ、はい」
テキパキと準備をする入江くんの言う通りに座ると、テーブルの上に教材が置かれる。
どれも私が落第点をくらった教科のもの。
従順な私に、これ以上何かを言うこともないらしい。
隣に座った入江くんを見て……え!?