【未完】入江くんは優しくない。
で、何かなあと思いながら眺めていると。
「……ええっと…」
私には少しサイズが大きい帽子を被せられた。
困惑して、ズレる帽子を抑えつつ入江くんを見上げる。
「出かけるんじゃないの。早く来なよ」
こ、これは……!
まさかの神化・入江様のご登場!!
「い、行きます行きます!一緒に行きますうっ!」
慌てて隣につくけども、にやけが治りません。
だってだって、あの入江くんがっ。
暑さでバテないように計らってか、帽子を貸してくれるなんて!
ついで、一緒にお出かけしてくれるなんて…!!
優しすぎやしませんか!?
もうっ!このツンデレさんったら!
「なんて顔してんの気持ち悪い」
「えへへへ、なーんでもないでっす」
悪態なんてなんのその。
私は今、非常に嬉しいのです!
「ありがとね、入江くんっ」
「……別に」
照れてるとか今更だし、自惚れたりしないけどちょっぴり、いやかなり、るんるん気分なのでした。