【未完】入江くんは優しくない。
* *
「入江くん入江くん、見て見て〜!」
今日は楽しくショッピングと行きましょう!
意気込んだ私が、「どうだ」と言わんばかりに売り物の服を合わせて見せると。
「ちょっと黙って」
不機嫌を通り越して、疲れ果てた入江くんがそこにはいました。
あららら、まだ2時間程度しか経っていないというのにこれとは。
んん?一体どうしてかなぁ。
わざとらしく『わかんなーい』と首を傾げて素振りを見せると、無言の圧力が突き刺さってまいりました。
この暑さに加えて今にもデロデロに溶かされそうなあっつい視線。
「そ、そんなに見つめられたら……ポッ」
「ウザい。やっぱりお前頭沸いてる。即刻冷やしてこい」
「すみません。調子に乗りましたはい」