慰めのDISCO
DISCO1
「赤と青と緑」
「なにそれ?なんかの合言葉?」
隣に座った、宮田深雪(ミヤタ ミユキ)は金のブレスレットを何個もつけた腕で私の肩に回した。
「別に」
私の放った言葉は大音量のダンスミュージックにかきけされた。
カウンターで腰かけているのはいつもの定位置。
「ていうか、ルウ!今日めっちゃイケメン来るんだって」
「イケメン?」
「そ!イ、ケ、メ、ン!あんたそういうの疎いもんね~!でもね、そんな鈍ちんのあんたが見ても絶対惚れるよ」
別に鈍くないもん。ただあんまり興味が無いだけで。
軽くため息をついたのも、陽気な音楽で無かったものとされる。
ここは楽だ。何も考えなくていいし。