慰めのDISCO
「ごめん、ありがと。助かった」
「バカだな。一人は危ないって分かってんだろ」
頭を軽く叩かれて、手を強く繋がれた。
その行動が意外過ぎて、思わず手を引っ込めそうになったけど、どうにかこうにかそのまま繋いでいた。
燐に手を引かれながら、あの階段を登って
屋上へ出た。
知らぬまに火照った顔が冷たい風で段々と熱が引いていった。
手は自然と離されて、もう少し繋いでいたかったなと思う。
ゴツゴツした大きな手はなんだか安心感があった。
「今度からは一人で行くんじゃねえぞ」
「うん」
隣の燐を見ると、燐も私を見ていた。
近くで見ると、まつげが意外と長い。
「ルウ」
少し掠れた低い声は私を酔わす媚薬のようで。
危険だと分かっているけど、危険だって分かっているから。
多分、私は好きになったんだと思う。
自然と近づいてきた、燐の顔に私は目を閉じた。