慰めのDISCO





「今日はちゃんと来たじゃん」



「まあね」




修斗は年下のくせに、偉そう。でも、いつもの私を考えると、まあ仕方ない。




「ルウコ、お前さ、なんか資格とか勉強したら?」


「は?資格?」


「うん。そういう資格とか持ってると、就職とかにも役立つかもしれないしさ」



「就職?」



修斗から思いもよらぬ言葉に、ただおうむ返しだけをしてしまう私。


修斗は私が多分中卒なんだと思ってる。


そんで今はニートでフラフラしてる奴だって。




まあ後半合ってるけど……




でも、小中すら行ってない私にちゃんとしたところに勤めることなんてきっと無理。


「修斗、そう言ってくれるのは有難いけど………私なんかが就職なんて」



「私なんかって、お前よくその言葉言うけど、自分で言ってて悲しくなんないの?俺も頭良くないし、バカなのは自分で分かってるけど、夢あるし、やりたいことの出来る大学に行きたいって思ってる」



「夢?」



夢、なんて自分で口にすることすらおこがましいものだと思ってたし、言っちゃいけないもんだとも思ってた。


「スポーツトレーナーになりたいんだ。これが俺の夢。ルウコの夢は?」



「私の夢……」



私も夢って持っていいんだ。
まずそのことに驚きだ。


今まで自分の夢なんて聞かれたことなかったし、持ったこともない。



「なんか好きなことないの?」


好きなこと……

ネイルは昔から好きだった。よく今でも深雪にやってあげたりしている。



でも、無理だ。
ほんとにまともな教育を受けていない私なんて……








< 26 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop