慰めのDISCO
「健斗の彼女の、宮田深雪です!深雪でいいよ!」
深雪のラブラブ光線に少し眉をひそめた、燐はふと隣の私を見つめた。
なんでも見透かされてしまうような気がした。
あんまり関わりたくない。
なんか上手く言えないけど、危険な気がする。
私の本能はこいつを拒否してる。
「わ、私はいいよ。早く踊ってきたら?」
「何言ってんの?ほら!名前!」
深雪にそう言われ、下げていた目線を戻した。
あいつはやっぱり私を見ていた、あの瞳で。
「あー、深雪の友達の、ルウ」
目の前の、危険人物(私の中では)は何も言わずただ私を見ていた。
「あ、ルウが可愛いから、見とれてるんだろ。俺もルウと一度でいいからデートしてみたい」
「健斗!あんたってやつはーー!」
深雪と健斗のいつものじゃれあいが始まり、ふとあの男を見ると男も私を見ていた。
喧嘩を売ってるわけでも、ガンを飛ばしてるわけでも、どちらでもなさそう。
ただ見てるだけ。
それだけ。