慰めのDISCO
「あいつ、家庭環境も複雑だし、その辺分かってやって。まああんな夜の溜まり場に来るやつはそれぞれなんか抱えてるわな」
お前だってそうだろう?と健斗は私を見た。
胸がちくりと痛んだ。
「だけど、バイトのことはやり過ぎだな。俺からも燐に話しとくから」
健斗はそう言って、タバコに火をつけた。
「そう………ありがと。ていうか、健斗はどうしてここに?」
「今その質問かよ」
健斗はとりあえず落ち着いた私に突っ込みを入れつつ、教えてくれた。
「燐とちょっと約束があって、こっち来たんだけど、入れ替わりになっちまったみたいだな」
燐が帰ってきたのは、それから少ししてから。
私が燐に声をかける間もなく、慌ただしく、健斗と燐でまた出ていって、燐が帰宅したのは夜11時頃だった。