慰めのDISCO
燐の胸に体を預けてると、心臓の音が聞こえてきた。
少し早い心音で、燐が本当に嫌な夢を見たことを証明している。
「燐はどうしてそんなに私がいなくなるって思ってるの?私はずっとここにいるのに」
「そうだよな、悪い。小さい頃、親父は離婚しても俺の父親で、それだけは変わらないって言った。なのに、新しい家庭を持って、俺と会うのが億劫になったんだろうな。携帯番号を知らない間に変えて、音信不通になった。母親はずっと男を取っ替え引っ替えして、俺には居場所がなかった。ずっと生きていくのに必死で……居場所が無かったんだ」
燐の過去。
ずっと独りだったんだ。
「大丈夫だよ。今は私がいるでしょう。燐の前から居なくならないし、燐を裏切らない。約束する」
燐はそう言った私をきつく抱き締めて、そのまま眠ってしまった。