花が咲く日まで
「ごめんなあいつうるさくて」


しばらく歩いて菊地くんが止まる。


「ううん。あの子菊地くんが好き、なんだね」

「よくわかんねーけどな」

「あの子は水のことも知ってるんだね」


自分の知らないことをほかの人が知ってるとなんだか嫌だ。

これはなんだろう?


「まぁ、もーすぐ教えてあげるからヤキモチやくな」


菊地くんがあたしの頭を撫でる。


「...ヤキモチって」

「冗談。あいつは俺が教えたくて知ったわけじゃないから」

「え?」

「勝手に俺の領域に入り込んできただけな」

「...そうなんだ」

「俺が自分で教えてもいいって思ったのはお前がはじめてだよ」


にっこり笑う菊地くん。


とくんってまた胸が高なった。

あれ、ほんとに。
わかんない。


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