花が咲く日まで
「今日で最後にするはずだったのに」

「え?」


菊地くんの言葉に思わず菊地くんを見てしまう。


あ、見ちゃった。


「やっとこっち見た」


菊地くんがにっこり笑う。

彼はこんなに笑う人だったろうか。


「もう水やりしないからさ」


菊地くんが空を見上げる。


「恋がかなったから?」

「は?」


怪訝な顔になる。


「昨日ね、たまたま公園通りかかって」

「聞いてたのか」


あたしの言葉に顔を赤くする。


「おめでとう」

「なんかそれおかしくね?」

「おめでとうじゃないの?」

「や、まぁおめでとうかもしれないけどお前が言うのおかしいだろ」


菊地くんが笑いながらあたしの頭を撫でる。

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