花が咲く日まで
「なに無神経って」


菊地くんが不機嫌そうな顔になる。


「だって、彼女ができたのに」

「は?」

「自分のこと好きな子は手放したくないってやつでしょ?」


あたしは地面を見て話す。

菊地くん見てたら泣いてしまいそうで。


「何の話?」

「菊地くんの話」

「いつ、俺が誰かをキープしようとしたの?」


菊地くんがあたしの顔をくいっと上に向かせる。


「あたしをキープしようとしてるんじゃないの?」

「...は?」


菊地くんの顔がどんどん不機嫌さを増していく。


あたしなんてキープにも値しないってことか?

自分で思って悲しくなる。


「キープしようとしてるんじゃないの?」

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