花が咲く日まで
「咲かないから付き合えないってとこ」

「それだと俺付き合えてなくね?」


菊地くんがおかしそうに笑う。


「でも、菊地くんもう少しで教えるって言ってたから。付き合うからだろうなって」

「そうじゃねぇし」

「...だって」

「俺、お前が最後まで聞いたんだと思ってたし」


顔を手で覆う。


「どうゆうこと?」

「他に好きな子ができたからもう水をあげる必要ありませんって言ったんだよ」


菊地くんの顔がほんのり赤くなる。


「でも、“あげてるって言ってた”て言われたから。今は、好きな子が毎日そこにくるからって言ったんだよ」


菊地くんの言葉に気持ちがふわふわする。


「...それって」

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