花が咲く日まで
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「菊地くん!」


あたしは菊地くんの頬にジュースの缶を当てる。


「冷てっ」


そう言いながらその缶を受け取る。


はじめて菊地くんに話しかけてからもう1週間。

学校がある日は毎日菊地くんのところにきている。


「今日もきたのかよ」


来る度にする迷惑そうな顔。


「ダメ?」

「ダメじゃねーけど」


迷惑そうな顔するくせに
来ちゃダメとは言わない。

迷惑そうな顔は照れ隠しじゃないかって
思ってる。

勝手な妄想でしかないけど
あたしは来続ける。

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