Mirror World
「ほら、あそこを見てみろ」
少しカーテンを開け、男は言う。わたしは言われた通り外を覗く。
男の目線の先には小学生ぐらいの茶髪の女の子を、同じぐらいの歳の男の子と女の子数人が取り囲んでいた。
よく見ると、その女の子に皆一斉になって石を投げたりしていた。
「ひどい…」
「あれは、ネーリア人とマドナム人の混血だ。恐らく法律が出来る前に産まれてきてしまったんだろうな。ネーリア人は特に例の事件があったから、歴史的にも一番酷い扱いを受けている。」
「さっきも言った通り、今この国は他国の者が入るのは禁じられている。お前も、バレたらああいう扱いを受けることになる。下手したら牢獄行き、死刑にもなるかもしれない。」