Mirror World
ふと辺りを見渡してみる。
散々泣きながら握りしめていたシーツはぐしゃぐしゃになって、
ベッドの下には仲良かった頃の二人の写真が沢山落ちていた。
鏡には泣き腫らしたひどい顔のわたしが映っていた。
「はは、ひどい顔…」
笑いながら鏡に近づく。
「こんなんじゃ、別れたくなるよね…すごい醜いもん」
明日からどんな顔して過ごしていけばいいのかな、わたしたちが別れたことが知れ渡るのも時間の問題だ。
さっきまでのわたしだったら、きっとみんなの前で笑いながら言えてただろう。
「もうお互い好きじゃなかったからね」って。
もう今の私にはできない、思ってもいないことをヘラヘラしながら言える自信なんてない。