君が残してくれたもの
一人でご飯を食べるの嫌じゃない。

一人でテレビを見ながら独り言とか言っちゃうけど、大丈夫。


小さいころは母が遅い日は祖父母の家に泊まった。

祖母は料理上手で、泊まりに行くと食べきれないほどの夕食を作ってくれた。
祖父は妙にけん玉が得意な人で、暇さえあれば私にけん玉を教えてくれた。


祖母が洗濯してくれた洋服はいつもお日様のいい香りで、乾燥機と部屋干しの家の洗濯物の香りとは別物だった。

そんな祖父母も歳をとって、母の1番上の兄が家を建てたのを機に、他県の伯父の家へ引っ越した。

母は5人兄妹の末っ子で、私は孫の中でも1番小さかったため、祖母は最後まで引っ越すことに躊躇していた。

小学4年生から、私はどんな時も母と二人。

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