君が残してくれたもの
学校からスーパー中丸は徒歩15分。

家の近所のスーパーなのだ。

いつもの帰り道。

そのはずなのに、どうしてだか...

違和感を感じる。背後から...


恐る恐る振り返ると、そこには...


「な、なんで...ここにいるんです...か?」

さっきすり抜けたはずの久保川くんが何食わぬ顔で立っている。


「なんでって、僕、肉好きだし」

肉が好き。

肉を買いに行くのか…?

彼もスーパー中丸に行くってことで、合っているのか。


「へぇ…そうなんだ…」

意味わからないけど、あんまり根掘り葉掘り聞くような間柄でもない。

足早にスーパーの自動ドアへと向かった。

スーパー中丸は主婦でごった返していた。


「よし、行く…ぞ」

ひるみそうな気持ちに腕まくりをして気合いを入れて、いざ特売コーナーへ。

人の波をかき分けようとすれば、払いのけられ…

腕を伸ばしても短い腕では届かず。


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