君が残してくれたもの
吹奏楽部は夏休み中にある市内の小中高校の吹奏楽部が参加する発表会の練習で屋上で練習中のようだ。
毎年、私が小学生の時から行われている行事で、友達が出るのを何度か見に行ったことがあった。
屋上から聞こえる音は、いつもよりものびやかで響き渡っている。
その音とは別のところから、聞こえる音楽。
ピアノだ。
音楽室へと、少しペースを早めて歩く。
どんどん音が近づく。
まさか、怪奇現象じゃないよね…
音楽室の半分開いたドアをゆっくり覗き込む。
「え…」
思わず言葉に詰まる。
私に気付いてピアノの音が止まる。
「なずな?」
声の主は、桜樹。
グランドピアノの前に座る桜樹の姿が、意外と様になっていることに驚いた。
「ピアノ弾けたんだ…」
桜樹はにっこり笑って、
「幼いころから祖母がね、教えてくれて」
そういいながら、鍵盤にそっと指をのせた。
毎年、私が小学生の時から行われている行事で、友達が出るのを何度か見に行ったことがあった。
屋上から聞こえる音は、いつもよりものびやかで響き渡っている。
その音とは別のところから、聞こえる音楽。
ピアノだ。
音楽室へと、少しペースを早めて歩く。
どんどん音が近づく。
まさか、怪奇現象じゃないよね…
音楽室の半分開いたドアをゆっくり覗き込む。
「え…」
思わず言葉に詰まる。
私に気付いてピアノの音が止まる。
「なずな?」
声の主は、桜樹。
グランドピアノの前に座る桜樹の姿が、意外と様になっていることに驚いた。
「ピアノ弾けたんだ…」
桜樹はにっこり笑って、
「幼いころから祖母がね、教えてくれて」
そういいながら、鍵盤にそっと指をのせた。