君が残してくれたもの
「夏祭りだろ?やっぱ」


桜樹と話に来たらしい海晴くんが会話に入って、目が合った。

色々、あれからちょっと変にドキドキしちゃうのは…


やっぱりあの胸板の厚さのせい?

いや、たくましい腕のせい?

思い出すと、鼻血が出そうなくらい赤くなる私。


それを見て、少し赤くなる海晴くん。


それを見て、鋭い視線を突き立ててくる樹里…

なんだか、冷や汗をかく私。


「じゃあ、夏休みは桜樹の初めてのことしない?」


海晴くんたら、なんだか小学生みたいな無邪気な表情で提案してくるんだから。

可愛いったら…


「いいね、いいね。とりあえず、かき氷食べる?」


樹里が賛成すると、


「どうせならかき氷器で作りたいよな」


そう言って、海晴くんが目をキラキラさせてくるから、うっかり…


「あ、私の家あるよ。かき氷器…」


なんて、もうなんだか楽しくなってきちゃった。
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