君が残してくれたもの
「はい?」


氷のように固まる私を樹里が、揺すった。


「なずな、大丈夫?このド天然男の言うことなんて聞き流して。ささ、かき氷、作ろ?」


だめだ、樹里はかき氷以外目に入ってない。


桜樹が私の手を握った。

私は桜樹をパッと見ると、桜樹は少し首を傾げて、

「ド天然?でも、なずなのこと本当に…」


ピンポーン


インターホンが鳴った。


「あ、はーい」


桜樹がパッと手をひっこめた。


玄関へ行くと、


「遅れてごめん」


海晴くんがちょっと汗かいて立っている。


「どうぞ」

スリッパを出すと、


「ありがと。お邪魔します」

スリッパを履いた海晴くんの足の大きさにちょっとびっくり。

しかも…

汗をかいているのに、めっちゃせっけんのいい匂い。

部活終わって、いったん家に戻ってシャワーしてきたパターンか?

クンクン匂いを嗅ぎながら、あれこれ妄想し尽くした後、さっき起きたばかりの桜樹とのやり取りを思い出す。
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