君が残してくれたもの
今まで1度もゲットできなかった特売の牛肉。

今日は私の手に…あるんだけど。

なにやらこの肉にはとんだおまけがついてきたようだ。


「あの、なんでうちで食べることに?」

振り返ると、久保川くんが面白がるような表情で私を見ている。


「このサーロインステーキ。ゲットしたのは僕。でも、残念なことに僕は料理ができない」


「お母さんとかに頼んで焼いてもらえるでしょ?」


うん、と頷いて久保川くんが近づいてくる。


「母親は今ダイエット中だからね」

「それでうちでこの肉を?」

うん、と頷いた。


今日は母が遅い日で、学校の人気者をうちに招いて肉を焼く…

どうなの、これ。
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