君が残してくれたもの
母が買ってくれた浴衣は、小花の模様がいっぱいの淡い水色の浴衣だった。


「ママ、お祭りまでに間に合わないし、そもそも浴衣着せられないから。あっちゃんが来てくれるから」


お祭りの日の朝、母は靴を履きながら早口でそう言ってバタバタと出勤した。

朝食のトーストをかじりながら、あっちゃんを思い出す。


いや、人を見た目で判断とかダメだけど。

あの出で立ちで、着付けとか!

想像できないわぁ。

動画に撮りたい…


ワクワクしかしない。

< 140 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop