君が残してくれたもの
「海晴くんがそんな顔したら、心配に…なる…」


私の言葉、拙くてごめんね。

海晴くんがそんな顔する理由がわからなくてごめんね。


「私…」

私の言葉を遮るように、


「ごめん、今の忘れて。桜樹が大変な時に、俺どうかしてんな」


そう言って立ち上がった。


どうすればよかったの?

海晴くんにそんな顔させないようにするためには、どうすればよかったの?

ベンチに取り残された私の胸がチクリと痛んだ。

正解がわからない。

桜樹のことが特別なの?
でも、それだったら海晴くんだって特別だよ。

でも、特別は1人じゃないとダメなの…?
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