君が残してくれたもの
「学校に行ってもいい?そこで話す」


そう言って、桜樹は歩き出した。


「え?学校でしょ?反対だけど」


樹里の言葉に、桜樹は恥ずかしそうにクルッと方向転換して歩き出した。


私と樹里は、思わずふきだすのを我慢した。

桜樹の後ろ姿…
華奢な体に、白い腕。

色素の薄い髪の毛が風にサラサラ揺れている。

桜樹、私達はその話を聞いてしまっても…変わらず一緒にいられるんだよね?


何となく不安になりながら、桜樹の後を歩いた。


桜樹が私達を連れて来たのは、中庭のしだれ桜の前だった。
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