君が残してくれたもの
夏休み、部活に入ってない私はほとんど学校に来ることがなかった。

だから久しぶりの学校は、少しだけ懐かしく感じた。


中庭のベンチに私と樹里が腰かけて、桜樹は立ったまま、海晴くんはしゃがんで、桜樹の話に耳を傾けた。


「僕の名前、この桜から来てるんだ」

桜樹、桜の木…

「僕は桜を見たことがなかったんだ。だから、見に来た」

うん、帰国子女だもんね。


「だから、こんなに長く居るつもりはなかったんだけど…」

桜樹は、また帰っちゃうの?
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