君が残してくれたもの
「桜樹は一体どこから来たの?」

海外だとは思っていたけど、どこか場所まで聞いたことはなかった。


「僕、帰国子女って言われてるらしいけど…違うよ?」


「え?」


私と樹里と海晴くんの声が揃った。


「僕、帰国子女なんて1回も言ってないよ?」


思い返してみれば、本人の口から聞いたことはなかった…


「じゃあ、どこから来たの…?」


樹里が尋ねた。
私と海晴くんは黙って桜樹を見た。


「ずっと遠い…未来だよ」


ミライ?


「え?ミライ?ミライって…ん?」


パニックになる私は、海晴くんと樹里の顔を交互に見た。

2人はぽかんとした顔で固まっていた。


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