君が残してくれたもの
「色々、審査も厳しいし規則もたくさんあるんだけど。でも、来れてよかった…会えてよかった」


夢?
なんか変な夢を見てる?


「夢とかじゃないよ。現実だよ」


桜樹がクスッと笑った。

エスパー?


「僕がここにいた形跡は全て消さなきゃいけないんだ。記憶もね」


桜樹の寂しそうな顔で、これが現実で本当なんだと感じた。


「海晴くん、ごめん。どうせ消すから…」

桜樹は私の顔を見て、ゆっくり近づいてきた。
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