君が残してくれたもの
「なずな、好きだよ」


突然のことに私はこのまま白目むいたまま倒れそうになりながら…


「え?」


なんとか足に力を入れて黒目に戻した。

「なずなが、僕の初恋だよ…なずなは忘れちゃうけどさ」


桜樹と過ごした日々が、頭の中で流れていく。


「忘れたくないよ…」


涙が溢れた。


「やだよ、全部なかったことになんて、できない」


みんなで過ごした時間、桜樹がここに居たという事実。

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