君が残してくれたもの
机はどこに行ったのだろう。

あの席に座っていた人がいるはずだけど、それを思い出せないでいる。

それどころか、みんなそんな人なんていないと言うものだから…

違和感から恐怖すら感じる。


「夢と現実の区別がつかなくなってんじゃないの?あんたしょっちゅう居眠りしてるから」


呆れた顔で樹里は私を見る。


「そうなのかなぁ」


樹里の言葉を受け流している私に、


「そうでしょ」


はぁっと、ため息をつく。


険しい顔で、お弁当箱からきれいな箸遣いでパプリカを口へと運ぶ。

樹里は文句言いながらも、お母さんが作ってくれたお弁当を残さずきれいに食べるのだ。


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