君が残してくれたもの
「ここ見て、髪の毛先がちょっと映り込んでる。髪の毛、相当茶色いよ」

目を凝らして見ると、確かに茶色い。


「ピアスも開いてる」

「これだけでもかなり限定されてくるよ」


少しゴールが見えてきたような気がした。

これに該当する人を探して…


「あと、机」

「机?」

いちいち聞き返す私に、気長に答えてくれる。


「席があったとするなら、どこかに机あんだろ?」

「そっか、机を探せば何か手掛かりがつかめるかもしれないね」


興奮気味に身を乗り出して、うんうんと頷くと、


「なずなちゃん、こんなキャラだった?もっとやる気なさそうにボッ
ケーってしてるでしょ?普段は」


くすくす笑われてちょっと恥ずかしくなってきた。


私は子供のころからミステリーやら推理もののアニメやドラマが好きなのだ。

留守番中に一人で主婦向けの再放送のサスペンスドラマなんかをよく見ていた。


「ボッケーじゃないよ。ぼけっとしてるぐらいだよ」

意地になって言い返すと、

「こだわるのそこ?」

そう言ってまた笑われてしまった。
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