君が残してくれたもの
スーパー中丸で、今日は久保川くんがいたからスムーズにお買い物ができ、すがすがしい気分だ。


「いやあ、買ったね。これだけ買ったのに、こんなに安いなんて」


ホクホクしている私を久保川くんは、


「満足そう」

思わず笑って、買い物袋を私の手からとって持ってくれた。


「久保川くんじゃなくて、海晴でいいよ」


そう言われた瞬間、私は立ち止まった。

フラッシュバック…?

前にも、こんなやり取りしたような…


「大丈夫?」


心配そうにのぞき込む久保川くんの顔を見て、


「うん…えっと、海晴くん」


そう言うと、海晴くんはふっと笑ってまた歩き出した。


荷物を持つ海晴くんの腕は、たくましくて、血管が浮き出ててすごくいい感じだった。


あ、またムッツリを発動してしまった。
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