君が残してくれたもの
海晴くんを見送りながら、私はオウジについて考えていた。


オウジ…一体何者なんだよ。


奇妙なことが起こっているのは確かで…それなのに、海晴くんの肉の食べっぷりや、きれいな箸の持ち方なんかが、頭から離れない。

どうしたものか…



海晴くんは、一度振り返って、手を振って角を曲がって行った。


こんな状況になったのも、もとはといえばオウジのことがあったから。


オウジ、なんだか私の運命を握られてる気がする。

どんな人なんだろう。


笹中さんの日記ちゃんとは読んでないにしても、家に帰って思い出して日記に書いちゃうぐらいだから…

すごく好きだったんだろうな。


ただ、オウジという響きに私の胸は少し切なくなっていた。
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