君が残してくれたもの
図書室の秘密の話
「ピアノ、ねえ」
昨日の不思議な体験を樹里に話すと、樹里はまた険しい顔。
樹里は机に頬杖をついたまま、
「オウジはピアノが弾けるのね…なんだか想像できない。ピアスに茶髪でピアノ?一体どんな人間だったんだろうね」
そう言って、それを聞いた私は頷くと、2人して遠い目で窓の向こうを見ていた。
空は雲ひとつない青空。
「そういえば、今日は久保川来ないね」
樹里が教室を見渡す。
ランチタイムに最近は常連だったというのに。
海晴くんの姿は教室にはない。
「ねえ、ぶっちゃけどうなの?なずなと久保川って」
樹里が声を潜めて聞いてくる。
樹里のお弁当からバジルの香りが漂う。
チキンの香草焼。
今日も手が込んでるなぁ、って樹里にいちいち言わないけど。
樹里もあまり喜ばないし、母親との関係性もそれぞれ違うから。
でも、お弁当は毎日しっかりチェックしてる。
参考にもなるし。
樹里の質問にまだ答えてなかったことに気づいて、
「どうって、どうもないよ」
笑って答えると、
「どうもないことないでしょ」
ふわっと答える私とは反対に、樹里は早く核心に迫りたい、といった感じ。
昨日の不思議な体験を樹里に話すと、樹里はまた険しい顔。
樹里は机に頬杖をついたまま、
「オウジはピアノが弾けるのね…なんだか想像できない。ピアスに茶髪でピアノ?一体どんな人間だったんだろうね」
そう言って、それを聞いた私は頷くと、2人して遠い目で窓の向こうを見ていた。
空は雲ひとつない青空。
「そういえば、今日は久保川来ないね」
樹里が教室を見渡す。
ランチタイムに最近は常連だったというのに。
海晴くんの姿は教室にはない。
「ねえ、ぶっちゃけどうなの?なずなと久保川って」
樹里が声を潜めて聞いてくる。
樹里のお弁当からバジルの香りが漂う。
チキンの香草焼。
今日も手が込んでるなぁ、って樹里にいちいち言わないけど。
樹里もあまり喜ばないし、母親との関係性もそれぞれ違うから。
でも、お弁当は毎日しっかりチェックしてる。
参考にもなるし。
樹里の質問にまだ答えてなかったことに気づいて、
「どうって、どうもないよ」
笑って答えると、
「どうもないことないでしょ」
ふわっと答える私とは反対に、樹里は早く核心に迫りたい、といった感じ。