君が残してくれたもの
図書室に足を運んだ。

花言葉なんて、気に留めてなかった。

自分の名前が花の名前だなんて…しかも七草がゆの材料の1つ。


子どもの時からよくからかわれていた。

だから、好きじゃなかったし…父がつけた名前だと母から聞いていたから。

余計に名前のことを考えることを避けていた。

それを今さら…調べることになるなんて。

図書室の扉を開けると、なんだかいつも異世界に来たような気持ちになる。


図書室の中は外の温度よりいつも低く感じる。


静かな部屋の中、本を探す。


花言葉の本を1つ、手に取った。

分厚くずっしり重い。


パラパラとめくっていくと、あるページが開いた。


「桜…」

桜は桜でも枝垂桜。

花言葉:『優美、ごまかし』

これは学校の中庭にある桜の種類だ。

さらにページをめくっていくと、桜の花のしおりが挟まれたページにたどり着く。

なずな:『あなたに全てを捧げます』

これが…私の名前の由来…?
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