君が残してくれたもの
その日以降、海晴くんと月丘くんこと、桜樹は一緒にいることが増えた。
バスケ部の練習を見るためにたかる女子の隣を、
「今日は中丸、肉半額デー」
一人、いそいそと下校する私。
家事が好きか、と言われれば特にそういうことはないのだけど。
ただ、家事をすることを理由に、いろんなことから目を背けようとしていたのかもしれない。
「恋だの愛だのよりも、肉。肉は裏切らない」
独り言をブツブツと唱えながら、私はスーパー中丸へと向かう。
そんな日々だった。
私の日々はずっと、こんな風だと思っていた。
それが崩れ始めるきっかけとなったのは、
「バイトしない?」
母からのこの一言だった。
「バイト?」
めんどくさいと、顔に書いている私に、母は怯むことなく話し続ける。
「期間限定だから。花屋のバイト。あっちゃん、いるでしょ。ママの友達の」
母は1人楽しそうに話を続ける。
バスケ部の練習を見るためにたかる女子の隣を、
「今日は中丸、肉半額デー」
一人、いそいそと下校する私。
家事が好きか、と言われれば特にそういうことはないのだけど。
ただ、家事をすることを理由に、いろんなことから目を背けようとしていたのかもしれない。
「恋だの愛だのよりも、肉。肉は裏切らない」
独り言をブツブツと唱えながら、私はスーパー中丸へと向かう。
そんな日々だった。
私の日々はずっと、こんな風だと思っていた。
それが崩れ始めるきっかけとなったのは、
「バイトしない?」
母からのこの一言だった。
「バイト?」
めんどくさいと、顔に書いている私に、母は怯むことなく話し続ける。
「期間限定だから。花屋のバイト。あっちゃん、いるでしょ。ママの友達の」
母は1人楽しそうに話を続ける。