風は戦い、恋をする

【朝のお越し役】



それから800年の月日は流れーーーー









翠は1600歳(容姿は約16歳)


翠(ミドリ)も、エンマ大王のもとですっかり明るく活発な女神となった。





































ーーー
ーーーーーーー

ッタッタッタッッ

ッダン!!!



「エンマ様ーーー!!!起きてーーーーーー!!!御早うございまーーーっっす!!!!」






翠の1日はエンマ大王を起こすところから始まり
「エンマ大王の朝のお越し役」これが翠のエンマ城での最も大事な仕事。




他は、地獄のお仕事のお手伝いは出来ないので、修行・掃除・雑用・地上界に風を吹かせることが仕事です。





さて、エンマ大王は
なかなか起きないことで有名な御方でございまする。


















…もちろんこれじゃおきません。




片足で軽くトンッと床を叩くと、
部屋中に風が吹き荒れ、
それと同時に、エンマ大王の寝具が宙に舞う。
 
















もちろん、エンマ様も宙に舞う…。




















風は急に止める。












…落ちる。













ッッッッダダダダン。。。☆
















……………



「痛いのぉ~…」


…これが彼のお越し方でございまする。












「…お前もおなごじゃ、、、
  もうちぃーーーーっと優しぃーーっく起こせんのかっ…   翠。」

とまだ眠そうな身体をお越しながらエンマは言う。












しゃがみ込み、エンマ大王の顔を覗き、自信満々な顔で…


「…だって、このくらいやらなきゃ起きないじゃないですか?


 大王様の“朝のお越し役“を首になった神仏様が何人いるかっ…ぶつぶつ」



…少し嫌味も言ってみる。成長したものですっ♪



















「っほんとに、可愛げがなくなってきたのぉー…


はじめンときは… 
    

頑張って起こそうと声をかけるんやけど、



仕舞いには泣き出して、



気づいたわしがよしよししながら起きる






ってのが、鉄板だったじゃろうがっ!!! 






それがいつの間に…





あんときは可愛かったのぉ…  


 ぶつぶつ 」










朝から多彩なジェスチャーを繰り出す……










芸人かっ







……




「800年前とは違うんですっ!

もうりっっぱな女神ですよ!!!


身長もこーんなに伸びましたし、

髪もこんなに伸びましたし、

風の力も操れるようになりましたし、

朝も一人で起きれますし…

etc…




…エンマ様ったら私をいつまでも子供だと思ってっーーー



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