風は戦い、恋をする
「エンラ様、 お見苦しい姿をお見せしました。」
雷神はエンマに頭を下げて言う
「何よっ、急に良いコぶっちゃってっ……」
「 ……こら! 翠っいい加減にせんかっ」
ニコニコニコニコニコニコニコニコ
「 ……霹靂(ヘキレキ)お前にも原因はあるんじゃよ?」
二人とも怒られた……
「まあ、ーよい。おぬしらが喧嘩し出すと止められるやつがおらぬからいい加減にするように。
翠、今日は大人しく戻っておれ! 霹靂、このあと軍の件で話がある。15分後、大広間に来い! 以上じゃ」
エンマはそれだけ伝えるとスッと消えたーー
……
「貴女のせいで怒られたではないですか……」
「……もとはといえば、あんたがつっかかって来たのが悪いでしょう?」
……やつは真面目な声色で言った
「……貴女をエンラ様が気にするのは、実力ではなく、貴女の生い立ちからです。
エンラ様にご恩を受けて、せっかく良い暮らしをしているのですから、大人しくしていた方がよろしいかと……。
わがまま過ぎるのも、見ていて気持ちの良いことではありませんし……。
では、私はエンラ様に呼ばれているので、失礼しますね。」 ニコッ
彼は、最後にニコッと笑って去って行った
それがあんたの本音ね……
「 そんなこと、言われなくても知っているって……」